
私は子どもが産まれるまで、「育児なんて余裕でしょ」と思っていました。お給料ももらえない楽な仕事なんだと。でも、実際に産まれてみたら、眠たくても寝れず、外にも出れず、トイレに行くのもごはんを食べるのもやっとで、「こんなんお給料もらってもやりたくない!」と思いました。泣き声で追い込まれ、泣き止ませ方もわからず、子どもみたいに一緒に泣いて、この世の終わりのような気分になる。この可愛い息子の息の根をいつか止めてしまいそうで、毎日怖かったです。
藁をもすがる思いで産後ケアを探し、りんご助産院に出会いました。2日連続で家に息子と2人きりでいることができなかった私には、「1週間をどう乗り切るか」が大きな課題だったのですが、りんご助産院は私と息子の1日をしっかりと埋めてくれる力強い存在でした。「明日はりんごさんに行くからなんとか1日乗り切れる」そう思って通っていました。
りんご助産院に着くと、とにかく最高に優しく出迎えてくださいます。最初は「そんなに優しくしなくても…」と思ってましたが、スタッフのみなさん大変な思いをしてお子さんを育ててきた経験をお持ちなので、きっとその時にかけてほしかった言葉、嬉しかった言葉を私たちにかけてくれているのだろうと思いました。「あそこに行けば、優しくしてもらえる」という場所があるだけで、どれだけ心の支えになったかわかりません。
初めはとにかく寝たいし、初対面の方との会話も苦手なので、利用者の方とのおしゃべりタイムを少し億劫に感じていましたが、実際に交流してみると、負担にならない時間で、スタッフの方が明るく会話を回してくれるので、むしろいい気分転換になりました。
中でも、ここで出会った4ヶ月の赤ちゃんママの「毎日、今日が最後の日かもしれないと思いながら生きている」という一言がとても心に刺さりました。この一言を聞いたときはまだ息子も2ヶ月で、言葉の意味がわからなかったけど、5ヶ月になって少し楽になった今ならよくわかります。めちゃくちゃ大変だった日々、心が折れそうになって声をあげて泣いた日々、人に頼ることになかなか慣れない日々、やっと可愛く思えてきた日々。たった5ヶ月間だったけど、息子は毎日成長していて、きっとすぐに大きくなってしまって、今日の姿、明日の姿がすべてその日限定。自由を失ったと思っていたけど、実は逆で、すごいものを見させてもらっているのかもしれない。ならば日々の姿を必死に目に焼き付けておこう、そう思ったんだろうなぁと思います。
ママさんだけでなく、スタッフの方との出会いも私にとって大きいものでした。離乳食のこと、保育園のこと、メンタルの浮き沈みがあること、不安でいっぱいなことを話すと、「それは、愛ゆえだよ。それだけ大事に思っているから、不安になるんだよ。よく笑う赤ちゃん見てたら、愛されていることがわかるよ。」と、息子をちゃんと大事に思えていることに気づかせてくれたこと。「幼い頃から保育園に長時間預けることが可哀想なんじゃないか」と思っていることについて「保育園には保育のプロフェッショナルがいるから大丈夫。仕事が好きなら、仕事したらいい。お母さんが頑張っている姿を見て、子どもも育つわ。」と言ってくれたこと。りんご先生、スタッフのみなさんから温かい言葉をかけてもらえた日、息子を大事に思えていると気がついた日、私は一日中嬉し涙が止まりませんでした。帰りのバスで一言一言思い出しながら、大切に心の引き出しにしまいました。きっとずっとそう言ってもらいたかったのかも。嬉し涙で心が洗い流されたようで、次の日からの育児がとても楽しく、楽になりました。息子もご機嫌でよく笑うようになり、元気でやれています。
きっとまたいろんな不安や落ち込む日も来るかもしれないけど、そんな時はりんごさんでかけてもらった言葉たちを思い出して、頑張ります。
りんご先生、スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。置いて寝ない息子をいつもおんぶしてくださって、ありがとうございました。かわいい瞬間を写真に撮ってくれて、スムーズに寝た方法を教えてくれて、ありがとうございました。
まだりんご助産院を利用したことのない方。外出する元気があるうちに、ぜひ利用してみてください。産後は1人にならないこと、赤ちゃんと少しだけ離れること、太陽に当たること、貧血に気をつけることがとても大事だと思いました。辛い思いを受け止めてくれる場所が必要です。元気がなくても、タクシーでぜひ行ってみてください。
1人でも多くのママが幸せになれますように。本当にありがとうございました。